法人を解散、精算、休眠する場合、いずれにしても書類を用意して提出しなければなりません。具体的には次の書類が必要です。異動届出書、給与支払事務所の廃止届出書、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書の3点です。
個人成りする場合は、個人事業主の開業手続きも必要になります。こちらは税務署に提出しますが、同時に青色申告特別控除も申請しておきましょう。開業届を提出すると屋号で銀行口座が作れたり、事業で何らかの契約をする際に必要になったりしますので必ず手続きをしましょう。なお、個人事業主の開業に伴う主な書類は、個人事業の開業届出・廃業届出等手続、所得税の青色申告承認申請手続、青色事業専従者給与に関する届出手続、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請、給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出などがあります。
法人から個人事業主に戻る個人成りをする際の注意として、法人のときに所有していた資産を個人へ移すときに名義変更が必要になることです。法人で所有していた土地建物や車両などは手続きが複雑なことも多いので余裕をもって名義変更しましょう。なお、法人成りをしている人は、以前の個人事業主時代に前述の5つの書類(個人事業の開業届出・廃業届出等手続、所得税の青色申告承認申請手続、青色事業専従者給与に関する届出手続、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請、給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出)の申請状況を確認しましょう。当時きちんと申請していて取り下げをしていなければ再提出が不要になる可能性があります。所管の税務署で確認しましょう。個人成りする際は、手続きをしっかり行って社会保険や決算の負担から開放されましょう。
法人を廃止する際に必要な費用は3つあります。まず、登記費用ですが、解散登記に30,000円、清算人選任の登記に9,000円、清算結了登記に2,000円、合計で41,000円必要です。これらは、登録免許税として印紙で支払います。次に官報の掲載料です。官報で法人の廃止を告知する必要があります。官報の掲載料は、掲載する行数によって変わります。一般的な株式会社の解散でしたら、1行22字で11行程度必要です。1行3,263円なので税込39,482円必要です。自分で手続きができないときは専門家にこれらの手続きを依頼しなければなりません。登記手続きは司法書士に依頼します。司法書士の報酬はおおよそ50,000円~100,000円です。もし、債権者や従業員との調整が必要な場合は、弁護士に依頼しなければなりません。
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